個人情報の提供・売買が違法になるケースや対策について解説

ダークウェブでの取引や法の隙間を突いた行為によって個人情報が売買されると、私たちの生活に直接的な影響を及ぼす可能性があります。個人情報が売買されないようにするためには、ウイルス対策ソフトの導入や定期的なパスワード変更など、適切な対策を講じることが重要です。

 

本記事では、個人情報が売買される理由と対策について解説します。

1. そもそも個人情報とは?

個人情報とは、特定の個人を識別できる情報のことです。(個人情報保護法第2条)

 

この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。

一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項第二号において同じ。)で作られる記録をいう。以下同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)

二 個人識別符号が含まれるもの


引用:個人情報保護法第2条

 

具体的には名前や住所、電話番号、メールアドレスなどが該当します。個人情報は私たちの日常生活に深く関わっており、適切に管理されないとプライバシーの侵害や不正利用のリスクが高まります。そのため、個人情報の重要性を理解し、適切に取り扱うことが求められます。

 

個人情報が重要とされる理由は、個人の特定や追跡が可能になるからです。例えば、名前と住所が分かればその人の住んでいる場所を特定できますし、電話番号が分かれば直接連絡を取ることが可能です。これらの情報が不正に利用されると、詐欺やなりすましといった犯罪に巻き込まれる危険性があります。

 

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■ 個人識別符号とは

個人識別符号とは、個人を特定するために用いられる符号や記号のことです。

 

2 この法律において「個人識別符号」とは、次の各号のいずれかに該当する文字、番号、記号その他の符号のうち、政令で定めるものをいう。


一 特定の個人の身体の一部の特徴を電子計算機の用に供するために変換した文字、番号、記号その他の符号であって、当該特定の個人を識別することができるもの


二 個人に提供される役務の利用若しくは個人に販売される商品の購入に関し割り当てられ、又は個人に発行されるカードその他の書類に記載され、若しくは電磁的方式により記録された文字、番号、記号その他の符号であって、その利用者若しくは購入者又は発行を受ける者ごとに異なるものとなるように割り当てられ、又は記載され、若しくは記録されることにより、特定の利用者若しくは購入者又は発行を受ける者を識別することができるもの


引用:個人情報保護法個人情報保護法2条2項

 

具体的には、マイナンバーや運転免許証番号、パスポート番号などが該当します。これらの情報は個人を特定するための強力な手段であるため、慎重に取り扱うことが重要です。個人識別符号が不正に利用されると、なりすましや不正アクセスといったリスクが高まるため、企業や個人は適切な管理と保護を徹底する必要があります。

 

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■ 個人情報保護法の目的

個人情報保護法は、個人の「プライバシー」を守るために制定された法律です。この法律の目的は、個人情報の「不正利用」を防ぎ、個人の権利や利益を保護することにあります。具体的には、個人情報の「収集」や「利用」、そして「提供」に関するルールを定めており、事業者はこれらのルールを遵守する必要があります。特に、個人情報を第三者に提供する際には、事前に本人の同意を得ることが求められています。また、個人情報の「漏洩」を防ぐための安全管理措置も義務付けられています。これにより、個人情報が「不正に売買」されるリスクを軽減し、安心して情報を提供できる環境を整えることが期待されています。

 

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■ 第三者提供の手続きと注意点

第三者提供の手続きは、個人情報保護法において非常に重要です。個人情報を第三者に提供する際は、まず本人の同意を得ることが基本となります。同意を得る際には、提供先や提供する情報の内容を明確にしなければなりません。また、提供先が外国の場合、「個人情報の適切な管理」が求められます。さらに、提供記録の作成と保管も義務付けられており、これにより情報の流れを追跡可能にすることができます。特に注意が必要なのは、個人情報が売買されるケースです。この場合、法的な手続きを怠ると、個人情報保護法違反となり、罰則が科せられる可能性があります。したがって、個人情報を第三者に提供する際は、法令を遵守し、適切な手続きを踏むことが不可欠です。

 

 

2. 違法な個人情報の提供・売買

■ 本人の同意が必要

個人情を第三者に提供する際には、情報の主体である本人の同意を得ることが求められています。

本人の同意を得るプロセスでは、情報の具体的な使用目的を明確にし、その内容を本人に理解してもらうことが重要です。例えば、マーケティング目的で使用する場合、その具体的な内容や範囲を明示しなければなりません。

 

■ 刑事罰の対象

個人情報の違法な提供や売買は、刑事罰の対象となります。これは、個人情報が不正に利用されることで、個人のプライバシーが侵害されるリスクがあるためです。個人情報保護法に基づき、個人情報の不正な取扱いは厳しく制限されています。個人情報保護法に違反した場合、罰金や懲役刑が科されることがあります。

個人情報を取り扱う際は、法律を遵守し、適切な手続きと管理を行うようにしましょう。

 

■ 名簿屋などの規制

名簿屋は、個人情報を取り扱う企業や団体からデータを収集し、販売する業者です。これらの業者は企業のマーケティング活動で利用される名簿を提供することが多いですが、本人の同意を得ていない情報の提供や売買は法律に反する行為です。

個人情報保護法の改正によってオプトアウト方式による第三者提供の要件が厳格化され、名簿業者からの購入時における取得経緯の確認・記録義務が強化されました。

 

 

3. 個人情報が売買される背景

個人情報が売買される背景には、デジタル化の進展とともに情報の価値が高まったことが挙げられます。個人情報はマーケティングや詐欺行為に利用されることで利益を生むため、悪意ある第三者によって取引されることがあります。このような取引はダークウェブと呼ばれる匿名性の高いインターネット空間で行われることが多く、法的な取り締まりが難しい状況です。

個人情報が売買される理由の一つは、企業や犯罪者がターゲットの特定やプロファイリングに利用するためです。個人情報が詐欺や不正アクセス、スパムメールの送信などに用いられ、個人に多大な被害をもたらす可能性があります。個人情報の売買は、情報漏えいによってもたらされるリスクをさらに高める要因となっています。

 

■ ダークウェブでの個人情報取引

ダークウェブとは、通常の検索エンジンではアクセスできない匿名性の高いインターネット領域です。ダークウェブでは、個人情報が違法に売買されることが頻繁に行われています。クレジットカード情報や個人識別符号などが取引され、犯罪者が不正利用する可能性が高いです。個人情報の売買はサイバー犯罪の一部として大きな問題となっており、個人情報保護法の重要性が再認識されています。

 

■ 個人情報売買の実態とリスク

個人情報が売買されると、個人のプライバシーが侵害されるだけでなく、詐欺や不正利用のリスクも高まります。クレジットカード情報や住民票の写しなどが流出すると、経済的な被害が発生する可能性があります。このようなリスクを理解し、個人情報を適切に管理することが重要です。また、個人情報保護法に基づき、情報の取り扱いに関する法令を遵守することが求められます。個人情報の流出を防ぐためには、日常的なセキュリティ対策を強化し、意識を高めることが必要です。

 

 

4. 個人情報の購入時に注意すべきポイント

■ 法令に従った適切な手続き

個人情報の購入時には、個人情報保護法に基づき適切な手続きを遵守することが求められます。個人情報の取得にあたっては、事前に利用目的を明確にし、本人に通知または公表する必要があります。さらに、取得した情報を第三者に提供する場合は、本人の同意を得ることが原則です。また、個人情報を取り扱う際には、適切な安全管理措置を講じることが重要です。具体的には、アクセス制限や暗号化などの技術的措置を導入し、情報の漏えいを防ぐことが求められます。これらの手続きを怠ると、法的な責任を問われる可能性があるため、十分な注意が必要です。

 

■ 記録作成と保管の義務

個人情報保護法に基づき、個人情報を取得した際には、どのような目的で利用するのかを明確にし、その記録を適切に管理することが求められます。第三者に提供する場合は、事前に本人の同意を得ることが必要です。また、取得した情報の正確性を保つため、定期的な更新や確認作業を行いましょう。保管に関しては、情報漏えいを防ぐために、アクセス権限の制限やセキュリティ対策を徹底することが欠かせません。情報が流出した場合のリスクを最小限に抑えるために、社内での教育や訓練も重要です。

 

 

5. 個人情報の利用における注意点

■ 利用目的の範囲を守る

個人情報保護法では、収集した情報を事前に明示した目的以外で使用することを禁止しています。例えば、顧客のデータを営業活動以外に使用する場合、事前に本人の同意を得なければなりません。また、企業が個人情報を売買する際にも、適切な手続きと透明性が求められます。個人情報がダークウェブで不正に取引されるケースが増えており、利用目的を逸脱した使用は法的リスクを伴います。企業は情報管理の責任を果たし、利用目的を徹底して守ることが求められます。

 

■ 営業活動での適切な使用方法

営業活動で個人情報を適切に使用するためには、利用目的を明確にし、その範囲内での活用を心掛けることが重要です。個人情報保護法に基づき、顧客の同意を得た上で情報を使用することが求められます。メールや電話を通じたダイレクトマーケティングでは顧客のプライバシーに配慮し、頻繁な連絡を避けるべきです。また、情報の取り扱いに関する社内研修を実施し、従業員の意識を高めることも効果的です。さらに、個人情報の管理にはセキュリティ対策が欠かせません。データの暗号化やアクセス権限の制限を行い、情報漏えいのリスクを最小限に抑える工夫が必要です。

 

 

6. まとめ

今回は、個人情報が売買される理由と対策について解説しました。個人情報が売買される背景には、情報の価値が高まっていることや、技術の進化に伴う情報の取り扱いが容易になったことが挙げられます。不正に売買された個人情報が悪用されないようにするためには、自分の情報がどこでどのように使われているのかを把握し、適切な対策を講じることが大切です。

 

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