リスク管理と危機管理の違いを解説

「リスク管理・危機管理とは何か」「リスク管理と危機管理は何が違うのか」「どうやってリスク管理と危機管理を実施すれば良いのか」など、疑問に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

本記事では、混同しやすいリスク管理と危機管理の違いについて解説します。

 

リスク管理と危機管理の違い

リスク管理と危機管理の違いは、管理を行う目的です。

リスク管理ではリスクが発生しないようにすることを目的として管理しますが、危機管理では危機が発生した後に被害を最小限にすることを目的として管理します。

たとえば、サイバー攻撃については、実際に攻撃を受ける前に強固なセキュリティ体制を構築しておくことで、発生自体を抑制することができます。

一方、自然災害で停電が発生した場合、自然災害あるいは停電自体は自社の努力で防ぐことはできません。

ただし、停電が発生した場合でも、無停電電源装置を設置しておけば事業を継続することは可能です。

 

つまり、発生させないことを前提として管理するのがリスク管理であり、発生することを前提として管理するのが危機管理と言えるでしょう。

 

注意点としては、リスク管理と危機管理の定義には様々なものがあり、危機管理をリスク管理に内包する概念として捉えるケースもあります。

自社におけるリスクと危機は何かを明確に定義し、適切に管理することが重要です。

リスク管理と危機管理について詳しく解説していきます。

 


■リスク管理とは

リスク管理とは、自社で発生する可能性があるリスクを事前に想定し、自社に与える影響・発生確率の評価、対応計画の策定、モニタリングを実施することです。リスクマネージメントと表現するケースもあります。

リスクを発生させないこと、リスクが発生した場合の被害を最小限にすることが、リスク管理の目的です。

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リスクマネジメントとは?プロセスやポイントを解説

 

日本電気株式会社(NEC)のリスク管理事例

NECでは、サイバーセキュリティ対策として、日々発生するサイバー攻撃の脅威に対してリスク分析を行い、分析結果に基づきサイバー攻撃対策を実施しています。未知のマルウェア検知システムでは、Web通信とメール受信を監視し、検知した未知のマルウェア情報などを基に、不正通信をフィルタリングするとともに、感染が疑われるPC及びサーバへの処置を実施しているそうです。これにより、リスクの発生を防ぐとともに、万一マルウェアに感染した場合も被害を最小限にとどめることが可能です。

【関連資料】
サイバーセキュリティ対策の社内事例

 

 

■危機管理とは

危機管理とは、自然災害やテロ、為替の変動、原材料の高騰といった、いつ発生するか分からない危機に対して事前に準備しておくことです。

発生した場合の被害を最小限に抑え、事業を継続できるようにすることが目的です。

特定の企業だけに発生するわけではなく、十分に対策出来ていなければ事業の継続が困難になるケースもあります。

 

第一資料印刷株式会社の危機管理事例

東京都新宿区の第一資料印刷株式会社では、東京湾北部地震( M7.3、震度 6 強)を想定し、同時被災の可能性が少ない地方の事業者への代替印刷の依頼等を採用することで、地震発生後3 日以内に受注件数の 30%の商品を出荷できるレベルまで復旧する事業継続計画( BCP)を策定 しています。

【引用】
民間の取組事例集

 

 

委託先リスク管理サービス「VendorTrustLink」

本記事では、混同しやすいリスク管理と危機管理の違いについて解説しました。

リスク管理と危機管理は、どちらかだけを実施すればよいわけではありません。

想定されるリスクに備えて準備するリスク管理と、事後の対応を計画する危機管理の両方を並行して実施することが重要です。

 

近年は、取引先・委託先を経由したサプライチェーン攻撃や取引先・委託先の不正行為など、自社で発生するリスクだけでなく外部企業を起因としたリスクに対しても管理することが求められています。

 

弊社では、委託先管理に課題を抱える事業者に向けて、委託先リスク管理サービス「VendorTrustLink」を提供しています。

取引先や委託先に関連する情報を一元管理し、リスクを可視化できるサービスです。委託先のリスク管理作業を効率化でき、監査にかかる工数を削減できます。

 

委託先リスク管理業務において以下のような課題を抱える事業者におすすめのサービスとなっています。

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  • 委託先一覧の管理や更新ができていない
  • 業務が属人化しており後継者がいない

 

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