「請負契約を結ぶとき、収入印紙はどうすればいいのか」「収入印紙の金額や軽減措置について詳しく知りたい」と感じている方もいるのではないでしょうか。請負契約における印紙の基礎知識をしっかりと身につけ、安心して契約を進められるようにしましょう。
本記事では、請負契約における収入印紙の必要性や金額について解説について詳しく解説します。
1. 請負契約書に収入印紙が必要な理由
請負契約は特定の仕事を完成させることを目的とした契約であり、その契約書が課税文書に該当するため、収入印紙を貼付する義務が生じます。収入印紙が必要な理由は、契約書が公的な証拠としての効力を持つからです。印紙が貼られていない契約書は法的に効力が弱まる可能性があり、トラブルが発生した際に不利になることも考えられます。
具体的には、請負契約書が作成される際、契約金額に応じた印紙税が課されます。例えば、契約金額が1,000万円を超え5,000万円以下の場合、2万円の収入印紙が必要です。また、契約書が2部作成される場合には、それぞれに印紙を貼る必要があります。
■請負契約書とは
請負契約書とは、建設工事やソフトウェアの開発など、特定の作業や業務の完成を目的とする請負契約を締結する際に作成される契約書のことです。請負契約書では依頼者が請負人に対して具体的な成果物を求め、その対価として報酬を支払うという内容が記載されています。
請負契約書が必要なのは、双方の権利と義務を明確にし、トラブルを未然に防ぐためです。建設業界などでは完成品の品質や納期に関するトラブルが発生しやすいため、契約書で詳細に取り決めることが欠かせません。また、請負契約書は法律的に有効な文書であり、万が一紛争が生じた場合には法的な証拠としても利用されます。
このような背景から、請負契約書には収入印紙が必要なわけです。収入印紙は国が税金として徴収するもので、契約書の種類や金額によって異なる税額が設定されています。印紙を貼ることで、契約書が法的に有効であることを証明し、後々のトラブルを防ぐ役割を果たします。
■収入印紙が必要な契約書の基準
契約書に収入印紙が必要かどうかは、その契約書が「課税文書」に該当するかどうかで決まります。課税文書とは、国が定めた法律に基づき、印紙税を課すべきとされる文書のことです。具体的には、請負契約書を含む多くの商取引に関する契約書がこれに該当します。
請負契約書は特定の仕事を完成させることを約束する契約であり、その対価として報酬が支払われます。このような契約書は金銭の受け渡しが伴うため、税法上「課税文書」として印紙税が課されるわけです。
印紙税法では、契約書の種類や金額に応じて異なる税額が設定されています。したがって、契約書を作成するときは、その内容をよく確認し、適切な額の収入印紙を貼ることが重要です。これにより、契約書が法的に有効なものとなり、後々のトラブルを避けることができます。
■印紙税の目的
印紙税の目的は、国の税収を確保することにあります。契約書や領収書など一定の文書に対して課税を行い、その収入を国の財源として利用しています。これにより、公共サービスの維持や国の運営に必要な資金が確保されるわけです。
また、収入印紙は契約書の信頼性を高めるという重要な役割も担っています。収入印紙が貼られていることで、その文書が公式なものであることが証明され、取引の信頼性が向上し、契約の履行に関するトラブルを未然に防ぐことができます。
2. 請負契約における収入印紙の金額と貼り方
請負契約における収入印紙の金額は、契約金額に基づいて決まります。収入印紙を貼る際には、正しい金額を確認し、適切に貼付することが重要です。
■契約金額に応じた印紙税額
印紙税は契約金額によって異なり、具体的な金額に応じて適切な収入印紙を貼る必要があります。例えば、契約金額が1万円未満の場合には印紙税は不要です。しかし、1万円以上100万円以下であれば200円の印紙税が課されます。さらに、100万円を超え200万円以下の場合には400円、500万円を超え1,000万円以下では1万円といったように、契約金額が大きくなるほど印紙税額も増加します。
印紙税額一覧表
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契約金額 |
税額 |
|
1万円未満のもの |
非課税 |
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1万円以上 100万円以下のもの |
200円 |
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100万円を超え 200万円以下のもの |
400円 |
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200万円を超え 300万円以下のもの |
1,000円 |
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300万円を超え 500万円以下のもの |
2,000円 |
|
500万円を超え 1,000万円以下のもの |
1万円 |
|
1,000万円を超え 5,000万円以下のもの |
2万円 |
|
5,000万円を超え 1億円以下のもの |
6万円 |
|
1億円を超え 5億円以下のもの |
10万円 |
|
5億円を超え 10億円以下のもの |
20万円 |
|
10億円を超え 50億円以下のもの |
40万円 |
|
50億円を超えるもの |
60万円 |
|
契約金額の記載のないもの |
200円 |
■建設工事請負契約書の印紙税の軽減措置
建設工事の請負に関する契約書のうち、記載金額が100万円を超えるもので、平成26年4月1日から令和9年3月31日までの間に作成される請負契約書については、印紙税の軽減措置が適用されることがあります。
軽減措置の対象となる契約書に係る印紙税の税率
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契約金額 |
本則税額 |
軽減税率 |
|
100万円を超え 200万円以下のもの |
400円 |
200円 |
|
200万円を超え 300万円以下のもの |
1,000円 |
500円 |
|
300万円を超え 500万円以下のもの |
2,000円 |
1,000円 |
|
500万円を超え 1,000万円以下のもの |
1万円 |
5,000円 |
|
1,000万円を超え 5,000万円以下のもの |
2万円 |
1万円 |
|
5,000万円を超え 1億円以下のもの |
6万円 |
3万円 |
|
1億円を超え 5億円以下のもの |
10万円 |
6万円 |
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5億円を超え 10億円以下のもの |
20万円 |
16万円 |
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10億円を超え 50億円以下のもの |
40万円 |
32万円 |
|
50億円を超えるもの |
60万円 |
48万円 |
■正しい収入印紙の貼り方と注意点
収入印紙は、契約書の余白や表紙に貼ることが基本です。貼る際には、印紙が剥がれないようにしっかりと押し付けて固定します。また、収入印紙に消印をする必要もあります。収入印紙と契約書の両方にまたがるように消印を押すことで、再利用を防ぐ役割を果たすわけです。
万が一、印紙を貼り忘れた場合や誤った金額の印紙を貼ってしまった場合には、税務署での手続きが必要になることがあります。
■請負契約書に収入印紙を貼り忘れた場合の対処法
収入印紙を貼ることは法律で定められており、請負契約書に収入印紙を貼り忘れた場合、通常の印紙税額の3倍程度の過怠税が課されることがあります。
収入印紙の貼り忘れを防ぐためには、契約金額が確定した段階で印紙を貼ることが重要です。契約書のチェックリストを作成し、印紙の貼付を確認項目に加えると良いでしょう。さらに、契約書の作成や管理を専門家に依頼することも一つの方法です。
3. 請負契約書への収入印紙が不要な電子契約
前述したように、従来の紙の契約書では、契約金額に応じた収入印紙を貼る必要があります。一方、電子契約では請負契約書に収入印紙を貼る必要はありません。これは、電子契約が紙の契約書と異なり、印紙税法上の課税文書に該当しないためです。印紙税は紙媒体の契約書に対して課税される制度であるため、電子的に作成された契約書には適用されません。クラウドサインなどの電子契約サービスを利用することで、契約の締結から管理までをオンラインで完結でき、業務の効率化が図れます。
■電子契約の仕組みとメリット
電子契約とは、紙の契約書を使用せずに電子データとして契約内容を保存し、インターネットを通じて契約を締結する方法です。電子契約では、契約の相手方と電子メールや専用のプラットフォームを通じて契約を交わすことができます。電子契約の最大のメリットは、収入印紙が不要である点です。紙の契約書の場合、契約金額に応じて印紙税が課されますが、電子契約ではその必要がありません。
さらに、電子契約は契約締結のスピードが速く、物理的な書類のやり取りが不要なため、業務の効率化が図れます。契約書の保管も電子データとして管理するため、スペースを節約することが可能です。また、セキュリティ面でも、暗号化技術を用いることで契約内容の改ざん防止や情報漏えいのリスクを低減できます。
■クラウドサインのメリット
クラウドサインは、契約書の作成から署名までをオンラインで完結できるサービスです。契約締結までの時間を大幅に短縮でき、効率的な業務運営が可能になります。さらに、契約書の検索や管理も容易で、必要な情報を瞬時に引き出せるため、業務の透明性が向上します。
また、クラウドサインを利用することで、契約書の改ざん防止に役立つタイムスタンプが付与されるため、法的な信頼性も確保できます。紙の契約書では見落としがちな細かいミスも、電子契約では自動チェック機能により防ぐことが可能です。
4. まとめ
今回は、請負契約における収入印紙の必要性や金額について解説について解説しました。
請負契約をスムーズに進め、無駄なコストを避けるためには、印紙税について正しく理解することが重要です。本記事を参考に印紙税の詳細を把握し、契約時に必要な手続きをしっかりと行いましょう。
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