今すぐ実践!効果的なサプライチェーン攻撃対策6選

サプライチェーン攻撃は、企業の信頼性や経済的なダメージをもたらす可能性があるため、早急な対策が求められます。サプライチェーン攻撃は複雑なため、防ぐのが難しいと感じる方もいるでしょう。しかし、正しい知識と対策を身につけることで、リスクを大幅に減少させることが可能です。

本記事では、サプライチェーン攻撃の具体的な対策方法とおすすめの対策ツール・サービスについて解説します。

1. そもそもサプライチェーン攻撃とは

サプライチェーン攻撃とは、企業が取引先や委託先を通じて受けるサイバー攻撃の一種です。攻撃者は、企業が構築しているサプライチェーンの一部を悪用し、セキュリティの脆弱性を突いて情報を盗んだり、システムに侵入したりします。サプライチェーン攻撃は企業の信頼関係を悪用するため、気づかれにくく、被害が広範囲に及ぶことが多いです。

 

具体的には、ソフトウェアのアップデートを装ったマルウェアの配布や、取引先のネットワークに侵入して企業のシステムにアクセスする手法が一般的です。

 

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■目的と背景

サプライチェーン攻撃の目的は、企業の取引先や下請け業者を経由し、最終的には大企業や政府機関などの重要な情報にアクセスすることです。攻撃者は取引先や下請け業者の弱点を突くことで、連鎖的に複数の企業に影響を与えることが可能になっています。

サプライチェーン攻撃が増加している背景には、企業間でのデータ共有が増加し、サプライチェーンが複雑化している現状があります。デジタル化が進む中で企業のセキュリティ対策が追いついていない場合も多く、これが攻撃者にとって絶好の機会となっています。

 

 

■最新の攻撃動向

攻撃者は、サプライチェーンの一部となる企業のシステムやソフトウェアの脆弱性を悪用し、広範な影響を及ぼすケースが増えています。特定の業界や企業を狙った標的型の攻撃が増加しており、これにより被害が深刻化する恐れがあります。また、リモートワークの普及に伴い、従業員が使用する個人デバイスやネットワークのセキュリティが脆弱となり、攻撃の入り口となるケースも増えています。最新の攻撃動向を把握し、予防策を講じることで、サプライチェーン全体の安全性を確保し、攻撃のリスクを最小限に抑えることが可能です。

 

 

2. サプライチェーン攻撃の手法

サプライチェーン攻撃は、攻撃者が取引先やサプライヤーを介して企業のシステムに侵入する手法です。つまり、直接的なセキュリティ対策を講じていても、間接的なルートから攻撃を受けるリスクがあるわけです。サプライチェーン攻撃は技術の進化とともにますます巧妙化しており、常に最新の手法を把握しておくことが重要です。

 

 

■取引先を利用した攻撃手法

サプライチェーン攻撃は、攻撃者が取引先やサプライヤーのシステムの脆弱性を狙い、ターゲット企業のシステムに侵入する手法です。つまり、直接的なセキュリティ対策を講じていても、取引先やサプライヤーを介して攻撃を受けるリスクがあるわけです。取引先が多いほど、その中にセキュリティの弱い企業が含まれる可能性が高まります。攻撃者は、これらの脆弱なポイントを突いてシステムに侵入し、最終的にはターゲット企業の機密情報を盗むことを狙っています。取引先を利用した攻撃手法に対抗するためには、取引先のセキュリティ状況を定期的にチェックし、攻撃を未然に防ぐ取り組みが不可欠です。

 

 

■技術を駆使した攻撃手法

攻撃者が高度な技術を用いて供給チェーンの中の脆弱な部分を狙うサプライチェーン攻撃では、ソフトウェアの開発や更新プロセスでのセキュリティの甘さを突くことが多いです。例えば、攻撃者は正規のソフトウェアに見せかけたマルウェアを供給元のサーバーに侵入させ、そこから顧客のシステムに感染させるわけです。

このような手法の攻撃を防ぐためには、まずサプライチェーン全体のセキュリティを見直すことが重要です。具体的には、ソフトウェアの開発段階でセキュリティテストを徹底し、外部からの不正なアクセスを防ぐためのファイアウォールや侵入検知システムを導入することが挙げられます。また、サプライヤーとの間でセキュリティポリシーを共有し、定期的にセキュリティ監査を実施することで、潜在的な脅威を早期に発見・対策することが可能です。

 

 

3. 効果的なサプライチェーン攻撃対策

効果的なサプライチェーン攻撃対策は以下の6つです。

  • システムとソフトウェアの最新化
  • 複雑なパスワード設定
  • ウイルス対策ソフトの活用
  • データ共有の見直し
  • 従業員へのセキュリティ教育
  • セキュリティ強化のためのリソース確保

それぞれの対策について詳しく解説します。

 

 

■システムとソフトウェアの最新化

サプライチェーン攻撃に対する1つ目の対策は、システムとソフトウェアの最新化です。

サプライチェーン攻撃は企業のシステムやソフトウェアの脆弱性を狙って侵入することが多いため、システムのアップデートやパッチの適用を定期的に行い、システムとソフトウェアを常に最新の状態に保つ必要があります。特に、オペレーティングシステムや主要なアプリケーションの更新は、セキュリティホールを塞ぐために欠かせません。最新の状態にすることで、サイバー攻撃に対する脆弱性を修正し、攻撃者が利用する隙を減らすことが可能です。

 

 

■複雑なパスワード設定

サプライチェーン攻撃に対する2つ目の対策は、複雑なパスワード設定です。

 簡単に覚えられるようなパスワードだと、攻撃者が簡単にシステムに侵入する可能性が高まります。パスワードは8文字以上で、数字や大文字・小文字のアルファベット、特殊文字を組み合わせたものにしましょう。また、同じパスワードを複数のアカウントで使い回すことは避けることが重要です。パスワードの使いまわしを避けることにより、一つのアカウントが侵害された場合でも、他のアカウントへの被害を防ぐことができます。

さらに、定期的にパスワードを変更することも重要です。最低でも3ヶ月に一度の頻度での変更を心がけましょう。パスワード管理ツールを活用するのも一つの方法です。複雑なパスワードを安全に管理し、覚える負担を軽減できます。

 

 

■ウイルス対策ソフトの活用

サプライチェーン攻撃に対する3つ目の対策は、ウイルス対策ソフトの活用です。

サプライチェーン攻撃は取引先や関連企業を経由してシステムに侵入することを狙うため、マルウェアの検出や駆除を行ってくれるウイルス対策ソフトを活用することで、システムの安全性を保つことができます。

ただし、ウイルス対策ソフトの利用にあたっては、定期的なスキャンと更新を怠ると、効果が半減する恐れがあります。定期的なスキャンを実施することで、潜在的な脅威を早期に発見し、被害を最小限に抑えることが可能です。

ウイルス対策ソフトを選ぶ際には、最新のウイルス定義ファイルを定期的に更新できるものを選ぶことが重要です。また、リアルタイムでの監視機能があるソフトを選ぶことで、常にシステムの状態を監視し、異常が発生した際には即座に対応することができます。

 

 

■データ共有の見直し

サプライチェーン攻撃に対する4つ目の対策は、データ共有の見直しです。

サプライチェーン攻撃では攻撃者が取引先やパートナーを経由して組織に侵入するため、データがどのように共有されているかを把握し、必要な対策を講じる必要があります。データ共有に関するポリシーを明確にし、誰がどのデータにアクセスできるかを厳密に管理することが重要です。アクセス権限を持つ人のみが必要な情報にアクセスできるようにすることで、不要なデータの流出を防ぎます。

さらに、共有するデータの量を最小限に抑えることも重要です。必要以上の情報を共有しないことで、情報漏えいのリスクを減らすことができます。取引先やパートナーと共有する情報を定期的に見直し、不要なデータの削除を徹底しましょう。

 

 

■従業員へのセキュリティ教育

サプライチェーン攻撃に対する5つ目の対策は、従業員へのセキュリティ教育です。

サプライチェーン攻撃では従業員の不注意や知識不足を利用して企業のシステムに侵入するなど、従業員がサイバー攻撃の入口となることもあります。そのため、従業員一人ひとりがセキュリティ意識を高め、適切な行動が取れるように教育することが重要です。

具体的な教育内容としては、まずフィッシングメールの見分け方を教えることが挙げられます。偽のメールやリンクをクリックすることが攻撃の引き金になることが多いため、注意深くメールを確認する習慣を身につけることが大切です。また、パスワードの管理方法についても徹底する必要があります。強力なパスワードを設定し、定期的に変更することが推奨されます。

また、従業員へのセキュリティ教育は一度きりではなく、定期的に行うことが重要です。新たな攻撃手法が次々と登場するため、最新の情報を常に共有し続けることが求められます。

 

 

■セキュリティ強化のためのリソース確保

サプライチェーン攻撃に対する6つ目の対策は、セキュリティ強化のためのリソース確保です。

企業がサイバー攻撃から身を守るためには、適切な人材や技術、資金を確保することが求められます。専門の人材派遣サービスを利用し、専門的な知識を持つセキュリティ担当者を採用することで、最新の脅威に対する迅速な対応が可能です。

最新のウイルス対策ソフトやファイアウォール、侵入検知システムなどを導入するなど、セキュリティ対策に必要な技術やツールの導入に資金を投じることも高い効果が期待できます。

さらに、従業員へのセキュリティ教育もリソース確保の一環として考えるべきです。従業員がセキュリティに対する意識を高めることで、内部からの情報漏えいを防ぐことができます。セキュリティセミナーやオンライン講座を活用して、従業員に最新のセキュリティ知識を提供しましょう。

 

 

4. おすすめのサプライチェーン攻撃対策ツール・サービス

おすすめのサプライチェーン攻撃対策ツール・サービスは以下の3つです。

  • UTM(統合脅威管理)
  • ウイルス対策ソフト
  • 委託先管理サービス

それぞれのツール・サービスについて詳しく解説します。

 

 

■多様なサイバー攻撃に対応するUTM(統合脅威管理)

UTM(統合脅威管理)は、企業がサプライチェーン攻撃から自社を守るために効果的なツールです。UTMは、ファイアウォールやウイルス対策、侵入検知システムなど、複数のセキュリティ機能を一つのプラットフォームで提供します。

UTMが特に優れている点は、リアルタイムでの脅威の検知と対応が可能なことです。サプライチェーン攻撃は取引先やサプライヤーを狙った攻撃が多く、これらの攻撃が自社に及ぶ前に迅速に検知して対応することが求められます。UTMはネットワークのトラフィックを常に監視、異常があれば即座にアラートを発するため、必要な対策を講じることが可能です。UTMは一つで多機能をカバーするため、個別のセキュリティツールを導入するよりもコストを抑えつつ高いセキュリティレベルを維持できます。

 

 

■信頼性の高いウイルス対策ソフト

ウイルス対策ソフトは、コンピュータやネットワークに侵入しようとするウイルスやマルウェアを検出し、排除する役割を果たします。サプライチェーン攻撃では取引先やサプライヤーを通じて不正なソフトウェアが侵入する可能性があるため、強力なウイルス対策ができる信頼性の高いウイルス対策ソフトの導入が効果的です。

ウイルス対策ソフトを選ぶ際には、リアルタイムでのスキャン機能や定期的なアップデートを提供しているかどうかを確認しましょう。クラウドベースの保護機能を持つソフトであれば、最新の脅威情報を即時に反映できるため、より高い防御力を発揮します。

サプライチェーンを通じて発生する多様な攻撃手法に対しても効果的に対処できるよう、フィッシング詐欺やランサムウェアといった複合的な脅威にも対応できるものを選ぶことも重要です。

 

 

■委託先管理サービス

委託先管理サービスは、企業が外部の委託先や取引先と安全に連携するためのツールを提供し、情報漏えいや不正アクセスのリスクを軽減するサービスです。取引先との情報共有を暗号化し、データの安全性を確保、機密情報が外部に漏れるリスクを最小限に抑えることができます。

取引先のセキュリティ基準を評価することでリスクを事前に把握することができ、信頼性の低い取引先を避け、より安全なパートナーシップを築くことが可能です。契約管理やコンプライアンスチェックなどもサポートしており、企業の法令遵守をサポートします。

 

弊社が提供するVendorTrustLink(ベンダートラストリンク)は、委託先のリスク管理に特化したクラウドサービスです。

リスクマネジメントの国際ガイドライン「ISO 31000」の考え方に沿って、

委託先情報の整理・可視化や、チェックシートの自動送信・記録管理を支援します。

 

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5. まとめ

今回は、プライチェーン攻撃の具体的な対策方法とおすすめの対策ツール・サービスについて解説しました。

サプライチェーン攻撃は、企業の信頼性や業務の継続性に大きな影響を与える可能性があるため、サプライチェーン全体の可視化や信頼性の確保といった、適切な対策を講じることが重要です。

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