グリーン調達とは?グリーン購入との違いや導入するメリット、調達基準、環境省のガイドラインを解説

グリーン調達の導入は、地球環境への配慮だけでなく、企業としての信頼性を高める一歩です。資材調達の基準を見直し、環境に優しい選択をすることで、企業としての責任を果たすことができます。

本記事では、グリーン調達の定義やグリーン購入との違い、導入するメリット、調達基準、環境省のガイドラインについて詳しく解説します。

1. グリーン調達とは

グリーン調達とは、環境配慮に積極的な供給元から優先的に購入する取り組みです。

環境省のグリーン調達推進ガイドラインでは、以下のように定義されています。

 

グリーン調達は、納入先企業が、サプライヤーから環境負荷の少ない製商品・サービ

スや環境配慮等に積極的に取り組んでいる企業から優先的に調達するものです。このグ

リーン調達は、納入先企業の環境配慮の取組方針や事業戦略に沿って実施されます。


引用:グリーン調達推進ガイドライン(暫定版)「環境省」

 

環境負荷を低減し、持続可能な社会の実現を目指すことで、単なる企業のイメージアップだけでなく、長期的な経済的効果も期待できます。また、早期に取り組むことで、環境規制の強化による法令遵守のリスクを軽減することも可能です。

 

■グリーン購入との違い

グリーン調達とグリーン購入は環境に配慮した製品やサービスを選ぶ点で共通していますが、主体となる購入者が異なります。

グリーン調達では企業が環境に優しい製品やサービスの提供者を選定し、製品の製造過程や流通において環境負荷を低減することを目指します。一方、グリーン購入とは、個人消費者が環境に配慮した製品を選ぶ行動です。つまり、グリーン調達は企業の視点からの取り組みであり、グリーン購入は個人消費者の視点からの行動と言えるでしょう。

 

■CSR調達との違い

CSR調達とグリーン調達の違いは、主にその目的と範囲にあります。CSR調達は企業の社会的責任(CSR)を果たすための調達活動であり、倫理的なビジネス慣行や労働環境の改善、地域社会への貢献など、幅広い社会的要素を考慮します。つまり、CSR調達は企業が社会的責任を果たす手段として、調達活動を通じて持続可能な社会の実現を目指すわけです。

一方、グリーン調達は再生可能な資源を使用した製品や製造過程でのエネルギー消費を抑えた製品を選ぶことで、企業の環境負荷を減少させることを目指します。

つまり、CSR調達は社会全体への貢献を考慮し、グリーン調達は環境への具体的な配慮を重視しているわけです。どちらも持続可能な社会を実現するための重要な手段ですが、それぞれの目的と範囲が異なります。

 

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■サステナブル調達との違い

サステナブル調達とグリーン調達の違いは、主にその目的と範囲にあります。

サステナブル調達とは、環境だけでなく、社会的、経済的な側面も考慮した調達活動です。例えば、サステナブル調達では、フェアトレード製品の選定や地元産品の利用など、労働条件や地域社会への影響も考慮されます。長期的な視点で調達活動を行うことを重視し、持続可能な社会の実現を目指すわけです。

一方、グリーン調達は特に環境への配慮に重点を置き、環境に優しい製品やサービス、資材を優先的に選択します。製品のライフサイクル全体での環境負荷を評価し、リサイクル可能な資源の使用や、環境負荷の低い製造プロセスを持つ製品を選ぶことが重視されるわけです。

 

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■グリーン購入法の概要

グリーン調達に関連する法律として重要なのが、「グリーン購入法」です。正式名称は「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律」で、2001年に施行されました。

グリーン購入法は、国や地方自治体などの公的機関が物品やサービスを調達する際に、環境負荷の少ない製品を優先的に選ぶことを義務付けています。環境に配慮した製品の市場拡大を促進し、持続可能な社会の実現を目指すことが、グリーン購入法の目的です。

グリーン購入法に基づいて選ばれた製品は信頼性が高く、消費者が安心して購入できるため、国や地方自治体などの公的機関だけでなく、企業や一般消費者の環境意識を高めるきっかけとなります。つまり、グリーン購入法は市場全体での環境配慮を促進し、持続可能な社会の構築に貢献しているわけです。

 

 

2. 企業がグリーン調達を導入するメリット

企業がグリーン調達を導入するメリットは以下の3つです。

  • 企業イメージの向上と市場競争力の強化
  • サプライチェーン全体でのコスト削減効果
  • 新規ビジネスチャンスの拡大

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

 

■企業イメージの向上と市場競争力の強化

企業がグリーン調達を導入する1つ目のメリットは、企業イメージの向上と市場競争力の強化です。環境に配慮した調達を行うことで、企業が社会的責任(CSR)を果たしているという印象を与え、ブランド価値が高まります。イメージを改善したいと考える企業にとって、グリーン調達は有効な手段となるでしょう。

また、環境に優しい製品やサービスを提供することで、環境意識の高い消費者をターゲットにした市場での競争力を強化できます。このような市場では環境配慮が製品選びの基準となることが多いため、グリーン調達を実施する企業は他社と差別化を図ることが可能です。

 

■サプライチェーン全体でのコスト削減効果

企業がグリーン調達を導入する2つ目のメリットは、コスト削減効果です。

環境に配慮した製品やサービスを選ぶことで、長期的に資源の効率的な使用や廃棄物の削減につながります。例えば、省エネ型の設備を導入すると、電力消費が抑えられ、結果として電気代を節約できるわけです。また、再生可能な材料を使用することで、原材料費の安定化や低減が期待できます。短期的なコストは高くなるかもしれませんが、初期投資を上回る長期的なコスト削減効果が期待できるでしょう。

さらに、グリーン調達はサプライチェーン全体の効率化にも貢献します。環境負荷を低減するための取り組みは、製品のライフサイクル全体を見直すことにつながるため、無駄を省き、全体的なコスト削減を実現します。

 

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■新規ビジネスチャンスの拡大

企業がグリーン調達を導入する3つ目のメリットは、新規ビジネスチャンスの拡大です。

近年では環境に優しい製品を選びたいと考える消費者が増加しており、ニーズに応えることで新しい市場を開拓できます。政府や自治体の入札においても環境に配慮する企業が高く評価されるケースが増えており、公共事業に参入できるかもしれません。

また、グリーン調達を行うことで、サプライヤーとの関係が強化され、新たな協力関係が生まれることもあります。サプライヤーと共に環境に配慮した製品を開発することで、独自の技術や製品を市場に提供できるようになり、他社との差別化が図れ、競争力を高めることが可能です。

さらに、グリーン調達を推進する企業は社会的責任を果たしていると評価され、投資家からの信頼を得やすくなります。資金調達や新規提携の機会が増加し、ビジネスの成長が期待できるでしょう。

 

 

3. グリーン調達基準とは

グリーン調達基準とは、企業が持続可能な社会の実現を目指して、環境に配慮した資材やサービスを選定するための指針を指します。グリーン調達基準は、環境省が定めたガイドラインを基に各企業が独自に策定することが一般的です。

環境省のガイドラインは、企業が環境に優しい調達を行うための基本的な枠組みを提供し、具体的な実施方法を示しています。企業はガイドラインを参考にしつつ、自社の事業内容や特性に合わせて基準を設定し、持続可能な調達を推進します。

 

■環境省が定めるグリーン調達推進ガイドライン

環境省が定める「グリーン調達推進ガイドライン」とは、企業や自治体が持続可能な環境を実現するための資材調達基準を示したものです。本ガイドラインでは、製品単位の環境負荷に関する要求事項だけでなく、取引先全体の環境経営を評価に入れた環境配慮型の調達が重視されています。本ガイドラインの目的は、プライヤーのグリーン調達への対応と環境経営を促進し、グリーン調達の更なる普及によりバリューチェーンマネジメントを推進することです。本ガイドラインを活用してグリーン調達を推進することで、環境への影響を最小限に抑えつつ、持続可能なビジネスを実現できます。

 

【参考】

グリーン調達推進ガイドライン(暫定版)「環境省」

 

■各企業が策定するグリーン調達基準書の役割

各企業が策定するグリーン調達基準書は、企業が環境に配慮した調達活動を行うための具体的な指針を示す重要な文書です。

グリーン調達基準書を作成することで、企業がどのような資材やサービスを選定するかの基準を明確にし、環境負荷を低減するための具体的な目標を設定します。

また、グリーン調達基準書はサプライヤーに対して企業の環境方針を伝える役割を果たし、サプライチェーン全体での環境意識の向上を促します。

さらに、グリーン調達基準書は法令遵守の観点からも重要です。環境関連法規を遵守するための具体的な手順や基準を示すことで、企業が法令違反を避けるための指針となります。

 

 

4. まとめ

今回は、グリーン調達の定義やグリーン購入との違い、導入するメリット、調達基準、環境省のガイドラインについて解説しました。

グリーン調達は、企業の社会的責任を果たすための重要なステップです。グリーン調達の導入により、環境に与える影響を最小限に抑え、持続可能な社会の実現に貢献できます。

環境省のガイドラインを参考にしながら、調達プロセスを見直し、グリーン調達基準を策定してみましょう。

 

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