プロキュアメントとは?パーチェシングとの違いや主な業務、メリットを解説

プロキュアメントは、企業の調達業務において重要な役割を果たしています。プロキュアメントを見直すことで、調達に関わる業務を効率化し、調達コストを削減することが可能です。

本記事では、プロキュアメントの概要やパーチェシングとの違い、主な業務、メリットについて詳しく解説します。

1. プロキュアメントとは

プロキュアメントとは、商品やサービスに必要な資材や人材を調達する業務を指します。

単に資材を調達するだけでなく、戦略的な視点で調達コスト削減や調達の安定化を図ることがプロキュアメントの役割です。

プロキュアメントが注目される理由は、グローバル化や市場の変化に対応し、企業が持続的に成長するために必要な戦略的調達が求められているからです。従来の調達活動は価格交渉や在庫管理が中心でしたが、プロキュアメントはサプライチェーン全体を見渡し、リスク管理や持続可能性の観点も考慮します。

 

■パーチェシング(購買)との違い

プロキュアメントとパーチェシングはどちらも商品やサービスの調達に関わる業務ですが、その範囲や目的には違いがあります。

プロキュアメントは、供給元の選定や契約交渉、品質管理、サプライチェーンの最適化など、企業が必要とする資材やサービスの調達に関わる包括的なプロセスです。一方、パーチェシングは、発注処理や支払い手続きなど、実際の購入行為に焦点を当てた業務を指します。

プロキュアメントは企業全体の調達戦略を支える広範な活動であり、パーチェシングはその戦略を実行するためのプロセスといえるでしょう。プロキュアメントが機能することで、コスト削減や品質向上、供給リスクの低減を戦略的に実現することが可能です。

 

■ソーシング(業者選定)との関係

ソーシングとは、プロキュアメント全体の流れの中で、適切な調達先を見つけ出し、契約を結ぶ前段階の活動です。ソーシングにより信頼性の高い調達先を確保し、質の高い商品やサービスを適正な価格で調達することができます。

ソーシングの目的は、調達先の過去の実績や財務状況、技術力、品質保証体制など、多角的な視点からの評価を通じて、企業のニーズに最も適したパートナーを選定することです。

 

■eプロキュアメント(電子調達)とは

eプロキュアメント(電子調達)とは、インターネットを利用した調達手法です。従来の紙ベースの取引をデジタル化することで、調達プロセス全体をオンライン上で管理でき、コスト削減や業務効率化が期待できます。

eプロキュアメントでは複数の調達先との取引を一元管理できるため、情報の整合性が保たれ、ミスを減らすことが可能です。また、調達先の選定や契約内容の管理も簡単に行えるため、業務の正確性が向上します。

 

 

2. プロキュアメントの種類

■製品に直結する直接材の調達

直接材とは、製品の製造過程で直接使用される材料や部品を指します。直接材がなければ製品自体が完成しないため、直接材の調達は企業の生産活動において優先される事項です。

直接材の調達においては、品質・価格・納期の3つの要素が重要です。

品質が不十分であれば製品の品質にも影響を及ぼし、顧客からの信頼を失う可能性があります。価格が高すぎると、製品のコストが増加し、競争力が低下するかもしれません。納期が遅れると生産ラインが停止し、供給不足に陥る恐れがあります。

直接材の調達においては、品質・価格・納期をバランスよく管理することが重要です。

 

■事業活動を支える間接材の調達

間接材とは、オフィス用品やIT機器、清掃サービス、外部の専門家によるコンサルティングなど、直接材以外の購買品を指します。直接的に製品の製造には関与しませんが、企業の運営を円滑に進めるためには必要不可欠です。間接材の調達は事業活動を支える重要な役割を果たしており、適切なサプライヤーの選定や契約条件の交渉、品質・納期の管理が求められます。

 

 

3. 企業におけるプロキュアメントのメリット

企業におけるプロキュアメントのメリットは以下の4つです。

  • コスト削減による利益率の向上
  • 安定したサプライチェーンの構築
  • 業務効率化
  • 競争力の向上

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

 

■コスト削減による利益率の向上

プロキュアメントの1つ目のメリットは、コスト削減による利益率の向上です。

プロキュアメントでは、購買量の集約によるスケールメリットを活用することで、仕入れ単価を下げることができます。また、複数の調達先を比較検討することで、質の高い製品をより低価格で調達することが可能です。さらに、プロキュアメント部門では、社内の各部門と連携し、在庫管理の効率化や無駄な購買の防止といった施策を講じます。

結果として企業全体のコスト構造が改善され、利益率が向上するわけです。

 

■安定したサプライチェーンの構築

プロキュアメントの2つ目のメリットは、安定したサプライチェーンの構築です。

サプライチェーンとは、製品やサービスが顧客に届くまでの流れを指します。安定したサプライチェーンを構築することで、製品の供給が途切れるリスクを減らし、顧客に対して信頼性の高いサービスを提供することが可能です。

サプライチェーンの安定性を確保するためには、複数の信頼できる調達先を持つことが欠かせません。何らかの理由で調達先に問題が生じた場合でも、他の調達先でカバーできます。また、調達先との良好な関係を築くことで、緊急時の対応や価格交渉もスムーズに進めることが可能です。

 

■業務効率化

プロキュアメントの3つ目のメリットは、業務効率化です。

プロキュアメントを適切に行うことで、調達プロセスが標準化され、重複作業や無駄な作業を削減できます。また、調達に関する情報を一元管理することで、関係者間のコミュニケーションが円滑になり、意思決定のスピードも向上します。

 

■競争力の向上

プロキュアメントの4つ目のメリットは、競争力の向上です。

適正なコストで高品質な資材を調達することで、製品のコストパフォーマンスを高めることができ、市場での価格競争力が強化され、顧客に対して魅力的な製品を提供できます。また、新しい技術や素材を導入することで、製品の差別化や新製品の開発が進み、競争市場での優位性を確立することができるでしょう。

 

 

4. プロキュアメント部門の主な業務

プロキュアメント部門の主な業務は以下の5つです。

  • 調達要件の整理
  • 新規調達先の選定
  • 価格交渉
  • 納期管理と社内への資材供給
  • 調達先に対する継続的な評価

それぞれの業務内容について詳しく解説します。

 

■調達要件の整理

プロキュアメント部門の1つ目の業務は、調達要件の整理です。

社内の各部門からの調達ニーズを正確に把握することで、必要な物資やサービスの種類、数量、品質、納期など、調達要件を明確にすることができます。たとえば、同じ物品を複数の部門がバラバラに購入するのではなく、統一した要件のもとで一括調達することで、スケールメリットを活かした価格交渉ができるわけです。また、調達要件が明確であれば、サプライヤーとの交渉をスムーズに進めることができるでしょう。

さらに、調達要件の整理は、企業の戦略的な目標とも連動しています。市場の変化や技術革新に対応するため、定期的に要件を見直すことが重要です。

 

■新規調達先の選定

プロキュアメント部門の2つ目の業務は、新規調達先の選定です。

新しい調達先を見つけることで供給の安定化が期待できますが、適切な調達先の選定を行わなければ、かえってコストが増大したり品質が低下したりするかもしれません。企業の競争力を高めるためには、調達先の実績や評判を調査し、信頼性や供給能力を評価

することで、企業の要求を満たす調達先を選定することが重要です。また、調達先との長期的な関係構築も視野に入れることで、安定した供給体制が確立され、調達活動がスムーズに進行します。

 

■価格交渉

プロキュアメント部門の3つ目の業務は、価格交渉です。

価格交渉の目的は、単に安価な商品を購入することではなく、適正な価格で高品質な商品を確保することにあります。価格交渉の際には、過去の取引データや市場調査をもとに価格の妥当性を確認し、企業のニーズに合った提案を行うことが重要です。また、調達先に対して長期的な取引のメリットを示し、調達先との信頼関係を築くことが求められます。

 

■納期管理

プロキュアメント部門の4つ目の業務は、納期管理です。

納期管理とは、必要な資材や商品を適切なタイミングで確保し、社内の各部門に供給するプロセスを指します。納期管理を適切に行うことで、製造や販売活動が滞ることなくスムーズに進行し、顧客の要求に迅速に応えることが可能です。

さらに、適切な納期管理は、サプライチェーン全体の信頼性を高める要因ともなります。サプライヤーとの良好な関係を築くことで、突発的な需要変動にも柔軟に対応できる体制を整えることができるでしょう。

 

■調達先に対する継続的な評価

プロキュアメント部門の5つ目の業務は、調達先に対する継続的な評価です。

継続的に調達先を評価することで、問題が発生した際に迅速に対応でき、長期的なビジネスパートナーシップを築くことができます。

調達先の評価基準は、品質・コスト・納期の3つです。

提供される製品やサービスが企業の基準を満たしているかを確認することで、調達先の品質を評価します。コストの評価は、競争力のある価格であることを確認し、無駄な支出を防ぐために重要です。納期の評価では、約束された期日に確実に供給されるかを確認します。

 

 

5. プロキュアメントにおける調達先の評価基準

プロキュアメントにおける調達先の評価基準は以下の3つです。

  • 要求を満たす品質
  • 適正なコスト
  • 確実な供給を約束する納期

それぞれの評価基準について詳しく解説します。

 

■要求を満たす品質

プロキュアメントにおける品質の評価は、企業の製品やサービスの価値を高めるために欠かせません。顧客満足度を向上させ、ブランドの評判を守るためには、企業が求める製品やサービスの品質を確保することが重要です。

品質評価の基準としては、調達先の製造プロセスや製品の性能、耐久性、外観、安全性などが挙げられます。また、ISO 9001などの国際規格の取得状況を確認することで、調達先の品質管理能力を測ることが可能です。

 

■適正なコスト

調達先が提示する価格が妥当であるかどうかは、同じような製品やサービスの価格を比較することで判断することができます。

また、調達先のコスト構造を理解することも重要です。調達先の製品の製造やサービス提供にかかる、原材料費や人件費、運送費などの要素がどのように価格に反映されているのかを把握することで、価格交渉の材料にできます。

交渉を行う際には、単に価格を下げることを求めるのではなく、どの部分でコストを削減できるかを具体的に提案することが効果的です。

 

■確実な供給を約束する納期

調達先の納期が守られないと、サプライチェーン全体に影響を及ぼし、製品の生産や販売に遅れが生じる可能性があります。

調達先が提示する納期が実際に守られるかどうかを評価する際には、過去の納品実績やトラブルの有無を確認することが重要です。頻繁に納期を守れなかった調達先は将来的にも同様の問題を引き起こす可能性が高いため、注意する必要があります。

また、納期遵守のための具体的な対策を調達先がどのように講じているかを確認することも大切です。例えば、調達先が生産能力を増強したり、物流手段を改善したりする努力をしているかどうかをチェックすることで、納期の信頼性を見極めることができます。

 

 

6. プロキュアメント担当者に求められるスキル

プロキュアメント担当者に求められるスキルは以下の3つです。

  • 円滑な取引を生むコミュニケーション能力
  • 市場の変化を見極める判断力
  • グローバル調達に欠かせない語学力

それぞれのスキルについて詳しく解説します。

 

■円滑な取引を生むコミュニケーション能力

プロキュアメント担当者に求められる1つ目のスキルは、円滑な取引を生むコミュニケーション能力です。

価格交渉や納期調整などの調達業務では、相手との信頼関係が欠かせません。調達先や社内の関係者との情報共有や意見交換をスムーズに行うためには、優れたコミュニケーション能力が必要です。相手の立場や背景を理解し、適切な言葉を選ぶことで、双方にとって有益な結果を導けます。また、自分の意見を伝える際には、曖昧な表現を避け、具体的なデータや事例を用いると効果的です。

 

■市場の変化を見極める判断力

プロキュアメント担当者に求められる2つ目のスキルは、市場の変化を見極める判断力です。

原材料価格の急騰や新技術の登場など、さまざまな要因が市場に影響を与えます。市場は常に変動しているため、その変化を敏感に察知し、適切な対応を迅速に行うことが重要です。

市場の変化を見極めるためには、日々の情報収集が欠かせません。業界ニュースや経済指標、競合他社の動向など、多角的な視点から情報を集めるようにしましょう。過去の市場データを分析することで、将来の変動を予測する精度を高めることができます。

また、判断力を養うためには、自社の強みや弱みを理解し、リスクを最小限に抑える戦略を考えることも必要です。例えば、特定のサプライヤーに依存しすぎないようにすることや複数の調達ルートを確保することが、リスク管理の一環となります。

 

■グローバル調達に欠かせない語学力

プロキュアメント担当者に求められる3つ目のスキルは、グローバル調達に欠かせない語学力です。

特に英語は国際共通語として、取引先とのコミュニケーションや契約書の理解に欠かせません。なぜなら、多くの国際取引が英語で行われるため、正確な意思疎通が求められるからです。語学力を高めることで、現地の文化や商習慣への理解を深めることができ、信頼関係を築きやすくなります。

 

 

7. まとめ

今回は、プロキュアメントの概要やパーチェシングとの違い、主な業務、メリットについて解説しました。

プロキュアメントは単なる調達業務を超えて、企業の競争力を左右する重要な役割を果たします。現在抱えている調達業務の課題も、プロキュアメントの視点を取り入れることで解決の糸口が見つかるかもしれません。

本記事で解説したプロキュアメント部門の主な業務や求められるスキルを参考に、プロキュアメントを活用した戦略的な調達を実現しましょう。

 

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