本でリスクマネジメントを学びたいけど、どの本がおすすめなのかな、とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
本記事では、リスクマネジメントを学べるおすすめの名著を7冊厳選してご紹介します。
この記事でおすすめした本を読むことで、基礎から応用まで幅広くリスクマネジメントの知識を身につけることができるでしょう。
1. リスクマネジメントとは
リスクマネジメントとは、企業や個人が直面する可能性のあるリスクを特定・評価し、対策を講じるプロセスのことです。予期せぬ事態が発生した場合でも、損失を最小限に抑え、組織の安定性や成長を確保することができます。リスクには経済的な損失や法律上の問題、自然災害など多岐にわたるため、リスクマネジメントによる包括的なアプローチが必要なわけです。
リスクマネジメントは、企業経営において重要な役割を果たします。適切なリスクマネジメントが行われていないと、企業は予期せぬトラブルに対処できず、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、適切にリスクを管理することで、企業の信頼性を高め、投資家や顧客からの評価を向上させることも可能です。
リスクマネジメントの具体的な対策としては、自然災害による被害を最小限に抑えるために事前に保険を契約したり、緊急時の対応マニュアルを整備することが挙げられます。また、サイバーセキュリティ対策を強化することで、情報漏えいのリスクを軽減することも可能です。
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2. リスクマネジメントを学べるおすすめの本7選
リスクマネジメントを学べるおすすめの本は以下の7冊です。
- 世界一わかりやすいリスクマネジメント集中講座
- 図解ひとめでわかるリスクマネジメント
- リスクマネジメントの教科書: 50の事例に学ぶ “不祥事”への対応マニュアル
- リスクマネジメント変化をとらえよ
- 意思決定のためのリスクマネジメント
- ケースで学ぶ組織と個人のリスクマネジメント
- 攻めの法務 成長を叶える リーガルリスクマネジメントの教科書
それぞれの本の内容や特徴について詳しく解説します。
■世界一わかりやすいリスクマネジメント集中講座
「世界一わかりやすいリスクマネジメント集中講座」は、リスクマネジメントを初めて学ぶ方に最適な一冊です。本書は、リスクマネジメントの基本概念から実践的な手法までを、分かりやすく解説しています。専門用語を避け、日常的な言葉で説明されているため、スムーズに理解できるでしょう。
本書が優れている理由の一つは、具体的な事例を豊富に取り入れている点です。実際の企業や組織で起きたリスク事例を基に、どのようにリスクを特定し、管理していくのかを具体的に示しているため、理論だけでなく実際の現場での応用方法を学ぶことができます。さらに、図やイラストを用いて視覚的に理解を助ける工夫がされているため、文字だけではイメージしにくい内容も直感的に把握できるでしょう。
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著者 |
勝俣 良介 |
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定価 |
2,860円(税込) |
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判型 |
A5 |
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頁 |
272頁 |
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発売日 |
2025/04/18 |
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発行元 |
オーム社 |
■図解ひとめでわかるリスクマネジメント
「図解ひとめでわかるリスクマネジメント」は、リスクマネジメントの基本を視覚的に理解できるように工夫された一冊です。本書は初心者に最適なリスクマネジメント入門書であり、複雑な概念を簡潔に解説しています。リスクマネジメントを初めて学ぶ方にとって、専門用語や理論が難解に感じられることがあるかもしれません。しかし、本書は図解を多用しており、視覚的に情報を捉えることで理解を深めることができます。
本書が優れている理由は、リスクマネジメントの基本的な考え方や手法を、具体的な例を交えながら説明している点です。例えば、企業が直面するリスクの種類や、そのリスクをどう管理するかといったテーマを、実際のケーススタディを通じて学べます。
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著者 |
仁木 一彦 |
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定価 |
1,980円(税込) |
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判型 |
A5 |
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頁 |
232頁 |
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発売日 |
2012/1/27 |
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発行元 |
東洋経済新報社 |
■リスクマネジメントの教科書: 50の事例に学ぶ “不祥事”への対応マニュアル
「リスクマネジメントの教科書: 50の事例に学ぶ “不祥事”への対応マニュアル」は、具体的な事例を通じてリスクマネジメントの実践的な知識を得られる一冊です。本書は組織が直面する可能性のある不祥事に対して、どのように対応すべきかを50の具体例を通して解説しています。
本書の魅力は、実際に起こった不祥事の事例を基に、具体的な対応策やその結果を詳しく解説している点です。さらに、著者は長年にわたり企業のリスク管理に携わってきた経験を持つ専門家であり、その実績に基づいた信頼性の高い情報が提供されています。
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著者 |
白井邦芳 |
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定価 |
2,200円(税込) |
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判型 |
A5 |
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頁 |
269頁 |
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発売日 |
2014/09/24 |
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発行元 |
東洋経済新報社 |
■リスクマネジメント変化をとらえよ
「リスクマネジメント変化をとらえよ」は、リスクマネジメントの変化や進化を理解するための優れた専門書です。本書では、リスクマネジメントがどのように進化してきたか、その背景にある要因を詳しく解説しています。著者はリスクマネジメントの専門家であり、長年にわたる経験をもとに、変化の必要性とその具体的な方法を示しています。
例えば、近年の技術革新やグローバル化の進展により、リスクの種類や影響が大きく変わってきています。このような変化に対応するためには、従来の方法だけでは不十分で、新しいアプローチが必要です。本書は、そうした疑問に答え、現代のリスクに対する効果的なアプローチを提供します。
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著者 |
デロイト トーマツ リスクアドバイザリー |
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定価 |
2,200円(税込) |
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判型 |
A5 |
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頁 |
328頁 |
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発売日 |
2022年12月12日 |
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発行元 |
日経BP社 |
■意思決定のためのリスクマネジメント
「意思決定のためのリスクマネジメント」は、リスクマネジメントの基本を学びつつ、意思決定におけるリスクの捉え方を具体的に理解できる一冊です。リスクマネジメントは予期せぬ事態に備えるための重要な手法ですが、その中でも意思決定の場面でのリスク評価は特に重要です。本書は、リスクをどのように評価し、意思決定に反映させるかを詳しく解説しています。例えば、ビジネスの現場でよくある「新規プロジェクトに投資するかどうか」という判断において、本書はリスクの特定方法や評価基準を提供します。
本書の魅力は、具体的な事例を交えながら、リスクマネジメントの理論を実践に落とし込んでいる点です。理論だけでなく、実際のビジネスシーンでどう活用するかを学べるため、読者は実務に直結した知識を得ることができます。
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著者 |
榎本 徹 |
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定価 |
2,750円(税込) |
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判型 |
A5 |
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頁 |
224頁 |
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発売日 |
2011/09/23 |
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発行元 |
オーム社 |
■ケースで学ぶ組織と個人のリスクマネジメント
「ケースで学ぶ組織と個人のリスクマネジメント」は、実際の事例を通じてリスクマネジメントを学ぶことができる一冊です。本書では、組織が直面する様々なリスクや個人が遭遇する可能性のあるリスクに対し、どのように対応すべきかを具体的に解説しています。例えば、企業が抱える法的リスクや経済的リスク、個人が直面するキャリア上のリスクなど、幅広い視点からリスクを捉えています。
また、各ケースに対する解決策も詳細に示されており、実際の業務にどのように役立てるかもわかりやすく説明されています。自分自身の状況に置き換えて考えることができ、実務に応用する力を養うことができるでしょう。
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著者 |
石川 慶子 木村 栄宏 |
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定価 |
1,980円(税込) |
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判型 |
A5 |
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頁 |
172頁 |
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発売日 |
2024/06/24 |
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発行元 |
産労総合研究所出版部経営書院 |
■攻めの法務 成長を叶える リーガルリスクマネジメントの教科書
「攻めの法務 成長を叶える リーガルリスクマネジメントの教科書」は、企業が成長する過程で直面する法務リスクを効果的に管理するための指南書です。本書は法務担当者や経営者にとって、法的リスクを理解し、成長戦略を立てるための実践的な知識を提供します。
本書が注目されている理由は、法務リスクを単なる防御策としてではなく、企業の成長を促進する「攻めのツール」として捉えている点にあります。本書では、法務リスクを積極的に管理し、企業の競争力を高めるための具体的な方法を豊富な事例とともに解説しています。
さらに、著者は法務の専門家としての豊富な経験を持ち、その実績に裏打ちされた知識を提供しています。法務の専門用語が多くて理解が難しいと感じる方もいるかもしれませんが、本書は図解や具体的なケーススタディを用いて、わかりやすく解説しています。
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著者 |
渡部友一郎 |
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定価 |
3,190円 (税込) |
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判型 |
A5 |
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頁 |
274頁 |
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発売日 |
2023/03/16 |
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発行元 |
日本加除出版 |
3. リスクマネジメント本の選び方
リスクマネジメント本を選ぶ方法は以下の3つです。
- 知識レベル・目的に合わせる
- 事例が掲載されているかを確認する
- 著者の実績を確認する
それぞれの方法について詳しく解説します。
■知識レベル・目的に合わせる
リスクマネジメントの本を選ぶ際には、自分の知識レベルや学びたい目的に合わせることが重要です。初心者の方は、図解やイラストが豊富で視覚的に理解しやすく、基礎からしっかり学べる入門書を選ぶと良いでしょう。一方、中級者や上級者は、実務での活用を意識した内容や、特定の業界に特化した本がおすすめです。例えば、金融業界や製造業など、業界ごとのリスクマネジメントに特化した本は、より具体的な知識を得ることができます。また、具体的な事例をもとにしたケーススタディ形式の書籍は、実際の問題解決に役立つでしょう。
■事例が掲載されているかを確認する
リスクマネジメントの本を選ぶ際には、事例が掲載されているかを確認することが重要です。具体的な事例があると、理論だけでなく、実際にどのようにリスクを管理するのかがイメージしやすくなります。
例えば、企業が直面した危機や対応策が詳細に描かれていると、自分の環境に置き換えて考えることが可能です。また、異なる業界や状況での事例を学ぶことで、幅広い視野を持つことができ、多様なリスクに対応できる柔軟性が身につきます。
■著者の実績を確認する
著者の実績を確認することは、リスクマネジメント本を選ぶ際の重要なポイントです。著者の経験や専門性は、その内容の信頼性に大きく影響します。例えば、実際に企業でリスクマネジメントを担当していた方や大学でリスクマネジメントを研究している教授が書いた本であれば、実践的かつ理論的な内容が期待できます。
また、著者がどのような背景を持っているかを知ることで、その本がどのような視点で書かれているのかも理解しやすくなります。例えば、法律の専門家が書いたリスクマネジメント本は、法的なリスクに重点を置いているかもしれません。一方で、経済学者が著した本であれば、経済的なリスクに関する分析が詳しいでしょう。
4. 本でリスクマネジメントを学ぶメリット
本でリスクマネジメントを学ぶメリットは以下の3つです。
- 体系的に知識を得ることができる
- 実践的な事例を学べる
- 知識レベルに合わせて学べる
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
■体系的に知識を得ることができる
リスクマネジメントを本で学ぶ最大のメリットは、著者が長年の経験と研究を基に構築した知識を体系的に得ることができる点です。リスクマネジメントの基本概念から具体的な手法や事例、応用までを一貫して学ぶことができるため、知識を断片的に得るのではなく、全体像を把握しながら理解を進めることができます。
■実践的な事例を学べる
リスクマネジメントを本で学ぶことの大きなメリットの一つは、実践的な事例を通じて具体的な知識を得られる点です。リスクマネジメントは抽象的な概念が多く、理論だけでは理解が難しいかもしれません。しかし、過去に起こった不祥事や危機管理の成功例を学ぶことで、具体的なイメージを持つことができます。自分の職場でもこんなことが起こるかもしれないと感じることで、より深く内容を理解し、自分の状況に置き換えて考えることが可能になります。
また、具体的な事例は、自分の業界や職場に応用できるヒントを提供します。具体的な事例が掲載されていることで、理論をどのように適用すればよいのかが理解しやすくなるわけです。
■知識レベルに合わせて学べる
リスクマネジメントを本で学ぶメリットは、知識レベルに応じた学習が可能な点です。初心者の方は、基礎から丁寧に解説されている入門書を選ぶことで、無理なく理解を深めることができるでしょう。一方で、既に基礎を理解している方は、より高度な内容や具体的な事例が豊富に載っている書籍を選ぶことで、さらに知識を深めることができます。
また、リスクマネジメントは幅広い分野に関連するため、金融業界向けのリスクマネジメント書籍や、製造業のリスクに特化したものなど、特定の業界や状況に特化した本を選ぶのもおすすめです。
5. 本でリスクマネジメントを学ぶデメリット
本でリスクマネジメントを学ぶデメリットは以下の3つです。
- 情報が最新ではない場合がある
- 専門用語が多い
- 実務への応用が難しい
それぞれのデメリットについて詳しく解説します。
■情報が最新ではない場合がある
リスクマネジメントを学ぶ際に本を利用する1つ目のデメリットは、情報が最新ではない場合があることです。リスクマネジメントの分野では法律や規制、技術の進化に伴い、情報が頻繁に更新されるため、本が出版された時点の内容が現在の状況に適合しないことがあります。法律や規制は数年ごとに改正されることがあるため、出版から数年経過した本を参考にすると、最新の法律に基づくリスク管理ができない可能性があるわけです。また、サイバーセキュリティに関するリスクマネジメントも、日々新しい脅威が生まれるため、古い情報では対応が追いつかないことがあります。
この問題を解決するためには、本の情報を参考にしつつ、最新の情報をインターネットや専門誌で補完することが重要です。さらに、業界のセミナーやウェビナーで最新の知識を得ることで、より実践的なリスクマネジメントの知識を身につけることができるでしょう。
■専門用語が多い
リスクマネジメントを学ぶ際に本を利用する2つ目のデメリットは、専門用語が多いことです。リスクマネジメントの本は専門的な知識を持つ人向けに書かれていることが多く、初心者にとっては難しいと感じるかもしれません。
この問題を解決するためには、専門用語の意味を調べることが大切です。また、初心者向けに書かれたリスクマネジメントの入門書を選ぶことで、基礎から理解を深めることができます。さらに、用語集や辞書を活用し、わからない言葉が出てきたときにすぐに調べられるようにしておくと良いでしょう。
■実務への応用が難しい
リスクマネジメントを学ぶ際に本を利用する3つ目のデメリットは、実務への応用が難しいことです。
書籍で得た理論的な知識は、現実の業務で直面する具体的な問題に直接対応できない場合があります。リスクマネジメントの理論は多岐にわたり、企業の業種や規模によっても適用方法が異なるからです。また、書籍に掲載されている事例が、職場の状況と必ずしも一致しないことも考えられます。そのため、実際にどのように対応すれば良いのかが分からず、実務に活かせないと感じるかもしれません。
このような課題に対処するためには、実際の業務での経験を積むことが重要です。書籍で得た知識を基に、小さなリスクから実際に対処してみることで、徐々に実務への応用力を高めていくことができます。また、セミナーやワークショップに参加し、他の専門家と意見交換をすることで、より実践的な知識を得ることも効果的です。
6. まとめ
今回は、リスクマネジメントを学べるおすすめの名著を7冊厳選してご紹介しました。
リスクマネジメントは、企業や組織の成長に不可欠なスキルです。リスクマネジメントについて解説した本を読むことでも、実践的なスキルを身に付けることができます。本記事でご紹介したリスクマネジメントを学べるおすすめの名著の中から、知識レベル・目的に沿った本を見つけてみましょう。
アトミテックでは、委託先リスク管理の手順をまとめた委託先リスク管理ガイドを公開しています。ぜひ自社の委託先管理の参考になさってください。





