リスクマネジメントに関する国際標準規格ISO31000について解説

「リスクマネジメントに関する国際標準規格ISO31000とは何か」「そもそもリスクマネジメントとは何か」「他のリスクマネジメント規格にはどのようなものがあるのか」など、疑問に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?


本記事では、リスクマネジメントに関する国際標準規格ISO31000について解説します。

 

1. リスクマネジメントに関する国際標準規格ISO31000とは


ISO31000は、リスクマネジメントに関する国際標準規格です。

2009年に第1版が発行され、2018年2月に改訂されました。


ただし、ISO31000はリスクマネジメントに関するガイドラインであり、認証を目的とした規格ではありません。

ISO31000では、リスクマネジメントを「目的に対する不確かさの影響」と定義しています。


ISO31000を活用することで、以下のようなメリットが期待できます。

  • 企業及び組織全体で意思統一ができる
  • マネジメントシステムを導入する際に整合性を高められる
  • ステークホルダーに対する理解が得られやすい

 


■ISOとは

ISOとは、スイスのジュネーブに本部を置く非政府機関の略称です。

国際標準化機構を意味するInternational Organization for Standardizationの頭文字を取って、ISOと表記されています。


国際的に通用する規格を制定することを目的として活動しており、ISOが制定した規格はISO規格と呼ばれています。

 

 

■リスクマネジメントとは

リスクマネジメントとは、企業が経営を行う際に遭遇する可能性のあるリスクやその影響を正確に理解し、事前に対策を講じることで危機を回避したり、損失を最小限に抑えたりするためのプロセスです。


企業の価値を維持または増大させることを目的として、リスクマネジメントを実施します。


リスクマネジメントを実施する手順は以下の通りです。

  1. 企業を取り巻くリスクを洗い出す
  2. リスクの発生確率と影響を分析する
  3. 対応の優先順位を決める
  4. 評価されたリスクに対する対策を立案する
  5. 立案された対策を実行する
  6. 実施した対策の効果を評価する
  7. 必要に応じて改善する

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■ISO31000以外のリスクマネジメント規格

ISO31000以外にも、リスクマネジメント規格としてISO27005とCOSO-ERMがあります。


ISO27005は、情報セキュリティリスクマネジメントに関する国際標準規格です。

ISO31000との違いは、規格が対象とするリスクの範囲です。

 

ISO31000では企業で発生するリスク全般を対象としていますが、ISO27005では情報セキュリティに特化したリスクマネジメントを対象としています。

つまり、情報セキュリティに限定したリスクアセスメントを実施する場合には、ISO31000よりもISO27005の方が適しているということです。


COSO-ERMは、COSO(米国トレッドウェイ委員会支援組織委員会)が発表したERM(Enterprise Risk Management)のフレームワークです。

 


■ISO31000以外のISO規格

ISO31000以外にも、ISOには以下のようなさまざまな規格があります。

ISO9001 品質マネジメントシステムに関する国際規格
ISO14001 環境マネジメントシステムに関する国際規格
ISO27001 情報セキュリティマネジメントシステムに関する国際規格
ISO22000 食品安全マネジメントシステムに関する国際規格

上記は一例となっており、ISOではリスクマネジメントだけでなくさまざまな規格を制定しています。

 

 

2. まとめ

今回は、リスクマネジメントに関する国際標準規格ISO31000について解説しました。


企業が経営を行う際に遭遇する可能性のあるリスクやその影響を正確に理解し、事前に対策を講じることで危機を回避したり、損失を最小限に抑えたりすることで企業の価値を維持または増大させるためには、リスクマネジメントが欠かせません。


リスクには自社を起因として発生するものだけでなく、取引先・委託先を起因とするものもあるため、取引先・委託先が適切にリスクマネジメントを実施しているかも重要な要素です。

定期的に取引先・委託先のリスク管理体制をチェックし、自社へ与える影響を最小限にしましょう。


ただし、取引先や委託先のリスクマネジメントの実施状況を確認するためには、手間や時間のかかる作業が必要です。

取引先や委託先でリスクマネジメントが適切に実施されているかを効率良くチェックする場合には、セキュリティツール・サービスの導入をおすすめします。

 

 

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