Hinemosへの移行 ~ジョブ編~
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■はじめに
こんにちは。
この記事では、他ツールのジョブ設定をHinemosへ移行する際の手順を簡単にご紹介します。
大きく分けてどんな手順があるのか、現行定義の準備から本番環境への移行まで説明します。
移行する際の参考になれば幸いです。
1.現行のジョブ定義を用意
現行ツールでのジョブ定義を用意し、移行対象のジョブを洗い出します。
また、現行ツールにおけるジョブのパラメータは、どのような意味があるのかを把握しておきます。
2.ジョブの構成をHinemos仕様に変更
Hinemosでは、ジョブを構成する要素に、
ジョブユニット、ジョブネット、コマンドジョブ、その他機能付きジョブ(監視ジョブ、ファイルチェックジョブ等)があります。
すべてのジョブネットと、ジョブは、最上位要素であるジョブユニットの要素として設定します。
そのため、現行定義の構成と比べて、ジョブユニットが必要な場合は作成し、構成を見直す必要があります。
3.Hinemos用の“ジョブID”、“ジョブ名”を作成
Hinemosでは、ジョブを識別するために“ジョブID”を使用します。
ジョブIDは、半角英数字および記号「-」「_」「.」「@」で設定します。
他製品では、日本語や、記号が入った文字列でジョブを識別していることがあるため、
Hinemosジョブ用のIDを作成します。
また、ジョブユニット同士の“ジョブID”、同一ジョブユニット内のジョブネット、コマンドジョブ等の“ジョブID”は一意である必要があります。
“ジョブID”とは別に、それぞれのジョブに“ジョブ名”、“説明”というパラメータもあり、
どちらも日本語を使用できます。
こちらに現行の識別名を反映させると現行定義との照らし合わせ等に活用できます。
4.現行のジョブのパラメータをHinemosのどの機能へ移行するかを検討
以下、どんな設定がHinemosの機能へ移行できるかをいくつか簡単に例に示します。
他ツールでの設定 | Hinemosでの移行できる機能・パラメータ例 |
毎年、毎月、毎週、毎日のジョブの実行設定 | スケジュール実行契機 |
周期的ジョブ実行の休日等による無効化 | カレンダ設定(カレンダ設定にて、非稼働日を設定する) |
先行ジョブの終了状態により後続ジョブを実行 | 待ち条件:ジョブ(終了状態)、(終了値) |
ジョブ投入先ホスト | スコープ(ジョブ作成変更画面、コマンド設定内)*リポジトリ設定にて、実行先ホストを設定しておく必要があります。 |
ジョブ内で実行するコマンド、スクリプト | 起動コマンド(ジョブ作成変更画面、コマンド設定内) |
ジョブを実行するディレクトリ |
Hinemosでは実行ディレクトリをコマンドと別で設定するパラメータがないため、 *なお、デフォルトでのジョブ実行時のカレントディレクトリは以下です。 [Windows] |
ジョブ実行ユーザ | 実効ユーザ |
5.実際にジョブ設定を作成
Hinemosクライアントで直接ジョブを設定する方法と、Hinemos Utilityの編集Excelを使用して作成する方法があります。
クライアントでは、実際にどの設定が必須項目(赤く塗りつぶされている項目)なのかなど確認しながら簡易に設定できます。
編集Excelでは、大量にジョブ数がある場合など、設定、変更が一気にできるという点があります。
設定インポート・エクスポート機能を使用して、編集Excelで作成した設定をHinemosへインポートすることができます。
6.設定したジョブが想定通りに動くかの試験
ジョブ実行の際に、テスト実行という機能があります。
待ち条件の無視、起動コマンドを置換など設定ができます。
起動コマンドの置き換えでは、自由にコマンドを置き換えられます。
*なお、起動コマンドを実行するOSの種類がジョブユニット、ジョブネット内で混合する場合、
一つの起動コマンドで置き換えできないため、コマンドジョブごとに一つずつ確認する等の必要がございます。
以下、参考程度によく使用する起動コマンドの置き換え例を記載します。
exit 0 | ジョブを正常終了させたい場合(終了値範囲によって数値は変えてください。) |
exit 255 | ジョブを異常終了させたい場合(終了値範囲によって数値は変えてください。) |
sleep ~ |
遅延設定等が正しく設定されているか等を確認できます。 |
7.本番環境へ移行
設定インポートエクスポート機能で、試験環境等からエクスポートした設定を
本番環境へインポートすることができます。
■おわりに
簡単ではありましたが、
他ツールのジョブをHinemosのジョブ設定へ移行する際の手順をご紹介しました。
お役に立てば幸いです。